「結衣さん、抱え込んじゃダメだよ。
結衣さんの心のままに生きて。
無理なら投げ出したっていい。
誰も結衣さんを責めないし、
責めるようなヤツがいたら私が許さない」
度々、真剣に伝える私に
結衣さんはふんわり微笑んで。
「ありがと、美月ちゃん。
私、後悔しないように
できるだけ頑張ってみる。
大丈夫。
ムリだと思ったら私自身と灯を
一番に考えるから」
その後、結衣さんは仕事に、家事に、
灯くん溺愛に…とくるくる大忙し。
お仕事は天職とも思えるご縁があったようで
「やりがいがあって、
毎日がとても楽しくて充実してるの」と
瞳をキラキラ✨させていました。
灯くんも大学入試の時期を迎え、無事合格。
結衣さんは合格の嬉しさと離れる淋しさに
毎日号泣していました。
春、灯くんは東京へ。
結衣さんはご両親と3人で暮らす日々になりました。
身体が不自由な結衣ママの苛々と、
結衣ママ優先に暮らす結衣パパの鬱憤の矛先は
どうしても結衣さんに向けられます。
それまで灯くんの手前、
それなりに気を遣っていた(らしい)
結衣パパ結衣ママの横暴さがますます酷くなったようで…
突如、結衣さんはご実家と縁を切ることになりました。
紆余曲折を乗り越えて悩み抜いて…
結衣さんも深く傷ついた結果の選択だったようです。
言葉の棘や、キツい態度、心ない思いが
結衣さんのココロにぽたぽたと雫のように溜まっていって、
ある日許容線を越えてしまったのです。
あふれでた思いは とどまることを知らず、
一気に堰を切ってしまうんですもの。