【お掃除なんてやめなよ】事件があった翌週。
サヨリ先輩はめんだこちゃんに言い渡します。
「電話は基本めんだこちゃんが取ってね。
来客対応もお茶出しも
めんだこちゃんの仕事ね」
いきなりのカウンター攻撃に、
言葉を失うめんだこちゃん。
「だって、めんだこちゃん
会社のために無料奉仕でお掃除するんでしょ?
だったら雑用も全部、めんだこちゃんがすればいいじゃない。
雑用は新人がすべきだし!」
サヨリ先輩は【お掃除しない同盟】を形成したかったのに、
思い通りにならなくて怒っているらしく…
不参加を表明した新人めんだこちゃんを
憂さ晴らしのターゲットにしたのでした。
しかも電話も来客対応も
大切なお仕事なのに…
サヨリ先輩にとっては
【雑用】にカテゴライズされているのです。
「電話も来客も…ですか?
任されたお仕事もあるんですけど」
狼狽えためんだこちゃんが訊くと、
サヨリ先輩はにたぁりと笑いました。
「めんだこちゃんが忙しいときは、
私にお願いしてちょうだい。
忙しい間だけ電話に出てあげるから」
(「お願い」しないと
「電話に出ない」つもりなんだ…)
めんだこちゃんは呆れてしまいます。
暴君のようなサヨリ先輩。
先輩とはいえこんな横暴が許されるでしょうか?
めんだこちゃんは上司であるカワハギ専務と、
サバミ先輩に助けを求めようと視線を送りました。
…が、しかし!
そばにいたカワハギ専務もサバミ先輩も
サヨリ先輩の指示に無言を貫いたのです。
聞こえているのに聞いていないふりをして。
厄介ごとを全部
めんだこちゃんに押しつけているよう。
暴君サヨリ先輩にも、
我関せずのカワハギ専務にも、
おもしろそうにくくっと笑うサバミ先輩にも、
カチンときた めんだこちゃん。
「そうですか。わかりましたっ!!!」
誰も助けてくれないと悟っためんだこちゃんは
ブチ切れて啖呵を切ります。
(丸投げされてめそめそするくらいなら、やってみよう!
できなかったら辞めればいいじゃん、こんな会社)
入社間もないめんだこちゃんは
慣れない業務に奮闘しながら、
電話を取り、来客対応に勤しみ…
負けず嫌いな性格 プラス
事務処理能力が高かった めんだこちゃん。
3ヶ月経つ頃には
スムーズにお仕事をこなせるようになったのです。