短大卒業後20歳。
地元に戻り就職した結衣さん。
配属されたのは、
男性社員を巡って
女性のバチバチが飛び交っている部署だったそうで…
指導係のM先輩(女性)に
さらりと「男性が少し苦手」と伝えたことが功を奏し、
結衣さんは女性の争いに巻き込まれずにすんだとか。
【人間関係は淡泊に。希薄でOK】と
一定の距離を保つことで
身を守るすべを身につけた結衣さんは、
オフィスで黙々と仕事に励む日々だったそう。
そんな結衣さんの真面目な姿に好感を持ったM先輩が、
合コンを企画してくださったんですって。
事件や、男性恐怖症のことまで打ち明けるつもりがなかったので、
結局断り切れずに合コンに参加したそうです。
そこで、灯くんのパパになる元旦那さんと出会いました。
営業マンだった元旦那さんは、得意の話術で結衣さんに猛アタック。
携帯電話が普及していなかったので、
おうちの固定電話に毎晩連絡をしてきたそうです。
「結衣ママの干渉は大丈夫だったの?」
家にかかってくる電話ですもん。
結衣ママが黙って見守るなんてことありません。
「そうなの…
『電話は両親がいないナイターテニスの夜にしてください』って
カレにお願いしてたんだけど、
とにかくデートに誘うのが目的だったから。
電話を控えてもらうためにも
とりあえずデートに応じないといけなくなっちゃって…」
元旦那さんは一見(⇐ここ大切:笑)
人当たりが良さそうな好青年で、M先輩のおすすめ男性。
ほぼイケメン(⇐結衣さん談:笑)で
合コン参加の女性陣からの評価も高く、
断る理由が見つからなかったそう。
八方塞がりの結衣さんはデートに応じ、
嫌われて遠ざけるつもりで
人間不信の原因を洗いざらい打ち明ける決意をします。
ところが…
過去を打ち明け、
「お付き合いはできません」と伝えた結衣さんに、
元旦那さんは意外な反応を見せます。
はらはら涙を流して
「助けてあげたかった…
不可能なのはわかってるけれど、
それでも助けてあげられなくて悔しい。ごめん」と。
この涙と絞り出すような言葉が
結衣さんの心をとろかして、
がっちり鷲づかみにしてしまったようでして…
実家に戻った当時の結衣さんは、
生活費を入れているとはいえ
肩身の狭い思いをしながら気を遣う日々でした。
しかも未遂とはいえ、
通勤途中に毎日事件現場を通るわけですから、
フラッシュバックで気持ちが塞ぎます。
実家を出るには、
遠くに転職もしくは結婚しか方法がありません。
田舎では女性の転職はとても珍しく、
不景気のため需要もなかったそうです。
一方、元旦那さんの住まいは実家から50kmほど離れた街です。
元旦那さんと結婚して実家から離れることができれば、
いろんな悩みから解き放たれる気がするのも当然ですよね…